自己紹介
渡邊水産は島根県出雲市にある水産加工会社です。作っている干物(塩干魚)は山陰沖で獲れる魚を中心に化学調味料は一切使用せず、塩のみで魚の旨みを引き出し、しっかり乾燥させその旨みを凝縮しています。焼き上がりは“ふっくらジューシー”です。
生産物(商品)の紹介 ※魅力や特徴、こだわりなどを教えてください
美味しい干物を作るには技術も大切ですが、何より魚(原料)の良し悪しが9割以上を占めます。
脂ののった鮮度良い原料を仕入れるために、下関、浜田、大田、境港など各港に信頼している仲買人さんがいます。渡邊水産の品質を知っている仲買人さんが選んだ魚を干物しています。魚の美味しいお腹部分を食べてほしいという先代の想い継ぎ、「背開き」という開き方で魚を一尾一尾丁寧に包丁で開いています。これは機械では出来ない加工方法です。開いた魚を「室戸深層水の御塩」で作った塩水に漬け、旨みを引き出します。塩で味をつけるのではなく、塩で魚の旨みを引き出します。
鮮度いい魚を扱っているため、会社が魚臭くありません。よく見学に来られた方に「水産会社なのに魚臭くない」と言われます。
今の仕事を選んだ理由や経緯を教えてください
渡邊水産の干物を食べたとき、純粋に美味しく「これだったらやれる」と思ったからです。というのも私は渡邊水産の社長の長女と結婚した者です。分かりやすく言うとサザエさんの「マスオさん」です。結婚と同時に渡邊水産に就職しました。就職する前の干物屋のイメージは悪く「朝早い」「魚臭い」「寒い」「重い」といった感じでした。そんなとき食べた干物がとても美味しく背中を押してくれました。
ご自身の産品を食べるのに、一番好きな食べ方はなんですか?
ふつうに焼いて食べることが一番好きです。ただ焼き方が分からないという方がよくおられ、焼き方をレクチャーしています。渡邊水産の干物は冷風乾燥でしっかり干して余分な水分を飛ばしているため、火の通りが早いです。他社製品より焼く時間が2分くらい早くグリルから出すため「えっ生じゃないの」って言われますが、これくらいがベストで、ふっくらジューシーです。
最近は干物を使ったレシピをいろんなところで紹介しています。干物は時短商品。既に下味がついていて、下処理してある。いろんな料理に簡単にアレンジ出来ます。魚料理を家族に食べさせたいけどどうしたら良いか分からない、魚料理を作ったのはいいが家族の反応がいまいち、というケースに渡邊水産の干物はピッタリです。
この仕事をしていて嬉しかった出来事、大切にしていることは何ですか?
何より渡邊水産の干物を食べて美味しい!干物のイメージが変わった!感動した!と言われることが嬉しいです。
また干物屋のイメージ「古臭い」「かたい」「大変そう」を変えたときです。渡邊水産の平均年齢は約34歳と業界として若いです。もちろん実習生もいますが、地元の新卒の子や子育て中のお父さんお母さんが働いてくれています。社員が誇りを持って仕事している姿を見ると嬉しくてたまりません。夢は「ニューヨークに干物Bar」「ローマ法王に渡すい干物を食べてもらう」。水産業界は大変なことばっかりですが、夢に向かって頑張っています。